経歴・人物
スコットランドのゲール語伝統にはいくつかの「予言者」が存在するが、「タムの予言者(Brahan Seer)」として知られるのはコインニッホ・マッケンジー(英語名:ケネス・マッケンジー)という人物の伝承である。
伝承によれば、コインニッホはスコットランド北部のロスシャー地方で生まれた17世紀の人物で、「見通しの石(seeing stone)」を通じて未来を見る能力を持っていたとされる。カウドー城の伯爵夫人イザベル・マッケンジーの怒りを買い、生きたまま樽に詰めて燃やされたという最期が伝わる。
しかし歴史的な一次資料における彼の記録はほとんど存在しない。現存する「タムの予言」のほとんどは、1877年に地方の民話収集家アレクサンダー・マッケンジーが出版した『ブラハン・シアの予言』に初出するものであり、事後的に収集・編集された可能性が高い。
「鉄の女王」を含む政治的予言も、サッチャー首相就任(1979年)後に注目されたものの、テキストの遡及確認は困難な状況にある。ケルト予言詩の研究者の間では、これらの「予言」を文化的・文学的テキストとして評価する一方、将来予知としての検証を保留する立場が多い。
主な予言・功績
- 「鉄の女王」の予言(遡及性に疑問)
- カルーニー運河の予言(一部成就とも)
参考文献・出典
- Alexander Mackenzie「Prophecies of the Brahan Seer」1877年
- Alasdair Roberts研究