経歴・人物

農民予言者とその記録者

ミタール・タラビッチは1829年、セルビア西部の山岳地帯クレムナ村(ウジツェ近郊)に農民の子として生まれた。読み書きができなかったとされ、村の告解司祭ザハリエ・ザハリッチ(Zaharije Zaharić)との深い信頼関係の中で、折々に自らのビジョンを語り、司祭がそれを書き留めた。この記録が後に「クレムナの予言(Kremna Prophecy)」として広まることになる。さらにザハリッチの孫も予言を受け継いで語ったとされ、「クレムナの予言」は一族のものとも言える。

成就したとされる予言

タラビッチの予言はセルビア現代史の流れを連続して語っているとして注目される。主なものとして「ロシア・トルコ戦争(1877〜78年)によるセルビア独立」「アレクサンダル・オブレノビッチ国王暗殺(1903年)」「第一次世界大戦(「全世界の国々が戦う大きな戦争」)」「第二次世界大戦(「再びもっと大きな戦争が来る」)」「ユーゴスラビア連邦の成立(「セルビアがより大きな国家の一部となる」)と後の崩壊・内戦(1990年代)」などが挙げられる。

技術文明に関しても注目される記述がある。「人々は小さな箱を持ち歩き、その箱の中に全世界が収まる」(スマートフォン・インターネット)、「人々は空飛ぶ乗り物に乗る」(航空機)、「金属の馬が道を走る」(自動車)などである。

未成就の予言——第三次世界大戦と精神的再生

まだ成就していないとされる予言には「人々は本当に大切なものを忘れ、賢者が愚者に、愚者が賢者に見える時代が来る」(情報洪水・SNS時代の比喩として引用される)、「最後の大きな戦争の後、世界の三分の一の人口が失われる」、「そのあと精神的に目覚めた新しい世代が現れ、真の平和な世界を築く」などがある。1899年に70歳で死去。

主な予言・功績

  • セルビア国王暗殺・第一次・二次世界大戦を予言したとされる「クレムナの予言」
  • 「小箱に世界が収まる」──コンピューター・インターネットの予言
  • ユーゴスラビア連邦の成立と崩壊を事前に語った
  • 「賢者が愚者となり愚者が賢者となる」──SNS・情報過多時代の警告

参考文献・出典

  • Mitar Tarabić - Wikipedia
  • Kremna Prophecy(セルビア語原文)